sweet jealousy 弾くんのまとめ♡

 不思議なこともあるもんだ。

 ずっっと、ずうっっっっっと惚れてた女がいて。
その女とほんの数日すれ違ったと思ったら、今こうして裸同然でピッタリと寄り添って布団に入っている。しかも、しっかりキッチリ行為は終えた後、だ。

 祭りの準備期間中。
 笑顔が可愛い、声も中身も全部可愛い、天然人誑しで気の利くナイスバディな美人のそいつが、他の奴らに言い寄られないよう睨みを効かせてたら、いつの間にか源三達に乗っかって珍しく俺まで女に囲まれてて。
 でも、俺は真夢以外の女にモテたって仕方ないから、何の意味も無い。
 お互い作業で忙しくて、ミカが気を利かせて休憩一緒に取らせてくれて、やっと思う存分勝手に一方的にイチャイチャしようと思ってたら、人の良い真夢は騙されて追い出されちまって。その間に別の女に告白される始末。
 もしかしたら、真夢と出会う前なら万歳三唱だったのかもしれねえ。
 でも今は……告白したいのも、されたいのも、欲しいのはただ一人、月野真夢だけ。
 勿論その告白を断って、大龍の元へ向かった真夢を追いかけたかったのに、なかなか離して貰えなくて。そうこうしているうちに、騒がしい外を覗いたら、その真夢が大龍に支えられるようにして車に乗り込むところだった。
「真夢!!!!!」
「弾くん!!!!!」
 真夢は泣いていた。お互い名前を叫んだけど、車は行っちまった。
 その晩何度連絡しても真夢からの返事はなく、次の日の朝漸く返事が来て。
いつもの真夢っぽかったからひとまず安心して祭りに向かったら、死ぬほど楽しみにしてた浴衣姿の真夢はなく、ワンピース姿の真夢が居て。
死ぬほど可愛いワンピースの真夢はいわずもがな最高だが、俺はいつまでも浴衣じゃないことにグズついてたけど、真夢はいつか「誰かと」デートする時に着たいと思ってたワンピースなのにって頬を膨らして、相手は俺だなんて言ってないのに気絶するかと思うくらい可愛かったから、すぐに頭を下げたら満足そうに笑っていて。その相手が俺なら良いのに、と心底思っていた。
 それでも皆んなで祭りを楽しんでたら、また前日の連中が現れて。
俺が食いてえリンゴ飴なんて真夢の食い残しオンリーだっつうのに、あれこれしつこくされて。真夢以外の女に腕に抱きつかれても、そんなのは源三に抱きつかれたのと変わらねえ。
振り解きたいけど、一応相手は女だし、しかも好いてくれてるとなれば無碍には……と思いつつ、顔には嫌悪感が丸出しだっただろうな。
 だって真夢が見てるのに。
心底惚れてる女の前で、何で違う女にベタベタされなきゃなんねーんだよって。
 そうしたら。
 真夢が。あの真夢が。俺が心底惚れまくってる女が。
俺とその女の腕に割って入ってくれた上に、そいつに向かってハッキリと言い放ったのだ。
「離して!!弾くんに触らないでよ!!!」
 一瞬何が起きたか分からなかった。
その後、真夢はそいつらに暴言をあれこれ言われたみたいだったが、「うるせーやい!!」と大啖呵を切って俺をその場から連れ出す。
さっきは何も感じなかった腕に、真夢の体温と、どでかくて柔らかいむにっむにの感触が伝わってくる。
 あ……これ、ヤベエかも……。
心臓バクバクいってんのバレんじゃねえかって心配になる程、脈打つ鼓動が速くなって。
 俺はただ、真夢と一緒にいられればそれで良かった筈なのに。
 全然そんなんじゃ足りなくなっていた。
それ以上を望んでしまう自分がいることに気づく。
 そして。
 真夢はやっぱり俺にとっての全てなんだって、改めて自覚した。
 だから。絶対誰にも渡さない。
 つーか、ここは今、生きながらにして体験できる天国だったのか。そんで真夢は大天使だったのか。
 ああもうマジ大天使!! マジ女神!! すげぇ幸せすぎる!!
 この先ずっと一緒にいられるなら他に何も要らねえ!!
 でも……何で真夢はこんなに怒ってんだ??俺、変な期待をしちまいそうだよ。
そんなわけねえと思いつつ、会話をしているうちに、真夢が叫んだ。
「弾くんの事が好きだからに決まってるでしょう!!!」
 …………
 いやいやいや。ちょっと待て。
 これは一体どういうことだよ!?
 俺のことが……好き……だと……?
 今、確かにそう言ったよな……? 聞き間違いじゃねえよな……?
 俺のことを……好き……だって……あ、アレか。likeってやつか。
しかし真夢は恋愛感情だとダメ押ししてくる。
そんなはずが……と思いつつカマをかけてみる。
「お前もしかして、妬いてんのか」
すると真夢は真っ赤になって叫び出す。
「好きなんだから妬くに決まってるでしょ!?」
 ああクソ可愛すぎだろ!!!!
真夢の好きと俺の好きが同じであったら……って思うことは何度もあったけど、でもそれは俺の願望で、まさか真夢が本当にそう思ってくれていたとは。
 もう我慢できなかった。
真夢の頬を両手で挟むと、真夢の顔はますます赤く染まっていく。それを視認するより先に唇を重ねていた。
 その瞬間祝福のような花火がドンと上がって。
ハッピーエンド、大団円!かと思ったらまーーた奴らが現れて。
でもそれが功を総じて?、皆んなの前で真夢と舌を捩じ込むようなクソエロいキスをしてやった。
桐島組の奴らはそれはもう大興奮で。真夢は酸欠でゼーハーしてた。
 それからなんだかんだあって、最後に絡まれた時には真夢は俺をdisりつつも、俺は最高だと奴らに更なる大啖呵を切っていて。その破壊力と言ったら。
 死ぬほどカッコよくて。
 死ぬほど良い女で。
 死ぬほど嬉しくて。
 死ぬほど惹きつけられて。
 死ぬほど愛おしすぎて。
 俺はこれから、この人の為に人生をかけるんだろうと判った。
真夢の兄ちゃんからのカマかけを内心泣きそうになりながらも無事かいくぐって、この日のうちに俺と真夢は正式に付き合うことになった。
 そして……身体も結ばれた。
「ふぁ……あ、弾くん……」
「真夢……可愛い……可愛いなあ、ホント可愛い」
俺の下で乱れる真夢が可愛すぎて、俺は何回も何回も真夢の可愛い可愛い唇にキスしまくった。
俺に組み敷かれている真夢はいつも以上に可愛く見えて、俺はまた可愛い可愛いと連呼する。
可愛い連呼しすぎたせいか、真夢は俺の胸板を押し返してきた。
「も、もう……そんなに言わないでよぉ……はずかしぃからぁ……」
恥じらう姿も超絶可愛くて、俺はまた可愛いと連呼する。
そうこうしてたら真夢はとうとう俺の口を手で押さえてきた。
「んんんんんん」
「もう、可愛いはおしまい!!」
真っ赤になるのもやっぱり可愛い。だって可愛いんだもんよ、仕方ねえ。押さえられた手を無理矢理剥がして
「愛してる」
そう伝えると、真夢はまたまた顔を紅く染めて。
「私の方がもっともっともーっと、大好きなんだから!」
と、俺の胸に顔を埋めながら叫んだ。
そんなの俺だって負けちゃいねえ。
「俺だって真夢が世界で一番好きだぞ!! 宇宙一、いや概念一好きだ!!」
「概念!?」
真夢は目を白黒させながら、それでも笑っていた。
「ふふっ、弾くんってば」
「本当だよ」
真剣な表情で伝えると、真夢の顔もとろんと蕩けて。
「ありがとう弾くん……私もだよ」
 ああ、なんて幸せなんだろう。幸せ過ぎてどうにかなりそうだ。
俺は何度も真夢に口づけをした。そして真夢も何度も俺に同じように吸い付いてきてくれる。
こんなに良い女が処女の訳ねえと思ってたら、どうやら本当に初めてだったようで。
当然童貞である俺の初めての相手が真夢なのかと思うと、前戯から既に昇天してしまいそうな程に気持ち良くて。
実際俺は途中調子に乗って攻めすぎて、勃起しすぎて挿入がままならなくなっちまった。
そんな俺を真夢は本当に大天使なんじゃないかと思うような笑顔で、俺のモノを口に含んで、俺の溜まりすぎた熱を放出させてくれた。
挿れる前に出しちまうなんてクソダセェこと限りねえが、真夢はそんな俺にも「それだけ気持ちいいって言ってくれてるみたいで嬉しい」なんて、優しい微笑みを浮かべてくれていて。そんなところも女神だった。
 結局そのあと、今度はゆっくりじっくり時間をかけて、真夢の中に俺を沈ませた。
「あ、ああっ……弾くん……弾くん……!!」
「ぐっ……かはっ、ま……くら……!!」
初めて同士の挿入にはすごく時間がかかって、俺は真夢のナカがキツすぎて出ちまいそうだし、真夢は別のキツさでなかなか異物を埋め込む事ができないでいた。
だけどようやくお互いの全てが繋がった時、俺たちは同時に涙を流していた。
「やっと……やっとひとつになれたね……」
「ああ……そうだな……」
 こんなに好きなのに。
 こんなに愛してるのに。
 どうして今までそれがわからずすれ違ってきたのか。
 でもそれも今日で終わりだ。
 今日からはずっとずっと、ずっと一緒に居る。
そう誓い合った後、俺は真夢の身体に溺れて。真夢も俺の身体に溺れて。二人とも、意識を飛ばすまで求め合い続けた。

 そんな怒涛の数日間を今、身じろぐ真夢を腕の中にして思い返す。
俺の恋人になった真夢は、相変わらず可愛いの一言に尽きる。他にも良いとこなんて色々あり過ぎて言葉にならねえから、もう可愛いでとりあえず纏めるっきゃねんだ。
職場でも家でも、俺は真夢にベタ惚れで、真夢も俺にベタ惚れで。
でも、それはずっと前からそうだったそうだ。
「え? どういうことだ?」
「実は……私たちが桐島組で久しぶりに会ったあの日、私はもう既に弾くんのことが好きだったんだよ」
 マジかよ。そんな素振り全く見せなかったじゃねえか。
「俺だって、黒木組の頃からお前が好きだったんだぞ」
「そうなの?」
真夢は本格的に恋心を撃ち抜かれたのは桐島組で再会してからだけど、とまた軽く俺をdisりながら胸元に頬擦りをする。
 本当ズルすぎんだろコイツ!何コイツ!!
 俺がどんな想いで毎日を過ごしてたかも知らねえで!
「だって弾くん、よそ見してた時あったらしいじゃない??」
「そ、そんなことは……!!だからあれはだな!?」
 あるにはある……かもしんねえ。
だって、好きで仕方なかった女がある日出社したら居ねえんだもん。昨日までの勤務だって知った時にはひっくり返るかと思ったし、数日、いやずっと引きずってて。
傷心の俺には一瞬別の女が可愛く見えたことも……でもそんなのは本当に上辺だけ何となく、て感じで。本当に心に残っていたのは、真面目で笑顔の可愛い、声も可愛い、誰にでも分け隔てなく愛想良く振る舞う真夢の姿だった。
「でも、それでもずっとお前の事が忘れられなかったんだよ」
「じゃあ、この先ずっと私の事、忘れる事がないように側に置いておいて……」
そう言って真夢は俺にぎゅっと抱きついてきた。
 だからズル過ぎんだって!!!どんだけ可愛いんだよ!!
俺が悶えてると、真夢はまた俺の胸板に頭をぐりぐりと押し付けてくる。
「ん〜っ、やっぱりここが一番落ち着く……」
「おいこら」
「ふぇ!?」
「他の男のところでそんな可愛い顔すんじゃねえよ。これから先はもう何もかもずーーーーーっと俺だけが独占するからな?こないだ言ってた奴らの行為も全部!!上書き済みだよな??」
「どうだろうなーー〜?」
「くっ……この小悪魔め」
「ふふっ」
またクスリと笑う真夢。
 ああ、やっぱり好きだなあ。真夢が好きだ。
「この唇も、おっぱいも、お××こも、全部俺のもんだ」
「ひゃうっ!?」
真夢の耳元で囁くと、真夢はビクンと身体を震わせた。
「や、やめてよぉ……」
「やめない。俺は真夢の全てを独り占めしたい。真夢も俺のことを独り占めしてくれ」
「うん……わかった……」
真っ赤になって俯きながらも、真夢はコクリと首を縦に振った。
「じゃあ、まずはキスからだ。いっぱいしようぜ」
「……私以外としたら、許さないんだから……」
 拗ねたような顔して何言ってるんだろうな、コイツは本当によ。
「わかってるよ。する気もねえけど、真夢以外の誰かとキスするだなんて想像しただけで吐き気がするぜ……」
「だからダメだって言ってるでしょ!?想像もだめぇ!!」
「俺も真夢が他の男とヤってるのなんて……」
「何を言うの!?弾くんサイテー!!下品ーー!!」
俺の言葉を遮って、真夢は赤くなって俺を罵る。
「ああん?何だとコラ!!俺以外の男にキスされたりおっぱい揉まれたりしたことある女は誰だよ!?」
ぐにゅん、と真夢の乳房を鷲掴みにしてやる。
「きゃぅっ……そ、それは……ずっと前、弾くんと出会う前の話でしょお……!?」
「俺はぜーーーんぶお前だけ」
ぐにゅん、もにゅん、むにぃ、と、俺は両手で真夢の胸を蹂躙する。
「あっ、やんっ……だからね、こんな風にえっちな触り方したのは、弾くんだけなんだよ??」
「どうだか」
「ひどーーい!!こんなに好きなのに……!!」
「俺の方がもっともっともーっと好きだけどな!」
「それさっき聞いたよぉ〜〜」
俺は真夢の胸を弄びながら、真夢は俺に胸を攻められながら、言い合いを続ける。
こんな会話ですら幸せで堪らない。
「でもまぁいいか……。これからは俺がお前のこと守るし」
「え?」
「真夢は俺が守るって言ったんだよ。一生な。もう二度とあんな目に遭わせねえからな」
「弾くん……」
「もう離さない。ずっと、ずっと。永遠にだ」
「……嬉しい」
真夢は瞳を潤ませて、俺の首に腕を巻き付けて、俺の顔を引き寄せて。
「んっ……」
ちゅっ、と優しく口づけをした。
「大好き」
「俺なんて愛しちゃってるぜ」
「弾くん」
「ん?」
引いたのかな?と思ったら。 
「ごめん……って言ったら、かえっていろんな人に失礼なのかもしれないけど。でも、ごめんね。全部が初めてじゃなくて。私も、全部、全部弾くんが初めてが良かった」
「真夢……」
俺がふざけて拗ねた事を気にしているのか、申し訳なさそうな表情を浮かべて、そんなことを言う。
「バカ、そんなの全然構わねえよ。むしろ、俺こそ悪かった。ふざけすぎたな」
「ううん。でもね……全部初めてだと思えるくらい、たくさん愛して欲しい……って思うよ?それに、本当にそうだって思ってる。こんなに感じるキスも、おっぱいや身体触られるのも……弾くんが初めて……そして、最後」
 何て可愛い事を言うんだろう。この小悪魔な女神様は。
 本当に可愛い。可愛すぎる。ズルすぎる。愛おしすぎる。
俺のちょっとした拗ねなんて、一瞬で吹き飛んでしまう。
「当たり前だろ……何度だってさせてくれ。真夢が満足するまで、何回でも何十回でも何百回でも何千何万回でも……ずっとずっと、愛し続けるぜ?」
「ありがとう……嬉しい」
真夢は俺の胸に顔を埋め、背中に手を回す。
「でも残念。満足なんて一生しないんだよ」
「んー?」
「好きだから……ずっと好きだから満足なんて出来ないの」
 ほらな、これだもんよ。
「ったく、ほんと参るよお前には。そうだよ、お前の言う通りだ。俺だって、何回抱いたって、何年一緒にいたって、ずっとずっと満たされねえんだよな?……愛してるから」
 愛情の上限値がずっと上がっていくんだ。
 だから満ちることなんてねえ。永遠に、ずっと増え続けていくんだ。
それを聞いた真夢は嬉しそうに目を細める。
「それを、世間では満ち足りてるって言うんだよ」
「ああ、そうだな。俺たちは満ち足りてる」
うん……と囁いて俺に擦り寄る真夢を優しく強く抱きしめて。
「最初にはなれなかったかもしれないけど、最後にはしてくれるか」
そう聞くと真夢は
「もちろん……決まってるでしょ?」
涙を浮かべて微笑みかける。
 その笑顔は世界一、宇宙一、概念一綺麗で愛おしくて。
 俺はこの人と生きるために生まれてきたのだと、本当にそう思ったのだった。