リアルはリアリティーショーよりも甘い

「きゃああ♡」

 真夢がテレビを見て興奮している。
最近この光景をよく見かける。
「きゃあ♡」とか「ひゃあ!」とか言いながら楽しそうに見ているのだ。
そんな真夢の横顔を見つめるのも、最近の日課である。
あるのだが……

 ある日、俺だけ急な休日出勤になり、家に帰るとこんな感じで真夢が楽しそうにテレビを観ていた。
「ただいま〜。楽しそうだな、何観てるんだ?」
「おかえり弾くん!早く上がれて良かった!今、恋愛リアリティーショー?、観てた」
「恋愛リアリティー……何て?」
画面を見ると確かに”恋していいですか!?”なんていう番組名が書いてあった。
「へぇ〜」
俺はちょっと気のない返事をした。
「弾くんはこういうの興味ないよね……」
「いや、そんなことないぞ。俺だって観始めると結構観ちまうと思うぜ。でも……」
チラ、と画面を見ると、水着のねーちゃんや、いわゆる細マッチョだとかイケメンだとか、そういう類の男たちがたくさん映っていた。
 コレ観て真夢はキャーキャー言ってたのか?
安い嫉妬心に火がつく。
「イケメン観て目の保養か?」
「えっ!?別にそんなつもりは……弾くん興味ないならもうやめるよ。配信だからいつでも観れるし」
 何だあ!?じゃあまた一人の時にコレ観てキャーキャー言うのか!?
俺のますますチープな敵対心が燃やされる。
すると画面に大写しになったのが、これまた水着姿の女の子だった。
『私は今年こそ彼氏を作りたい!』というキャッチコピーと共に。
本当はテレビを消したい所をわざと乗ってみる。
「いや、いいぜ。俺も一緒に観てみよっかな」
すると真夢は若干ジト目で俺を見つつも、
「そっか、じゃあ少し一緒に観ようか」
と言った。
こうして俺達はソファに座って一緒に番組を観ることになった。
 しかしこれは……
『私と一緒にプールに行きませんか?』
という女性の声に合わせて、男達が一斉に手を上げる。
「わあ〜!」
真夢は目を輝かせている。
水着の男女がお互いのお目当て目掛けてギラギラしている映像が流れていく。
「皆んな可愛いしカッコいいねえ〜!」
「ハン、どうだかな」
俺の気のない返事に真夢はむっとした顔をしたが、
「あっ、この人なんか弾くんに似てるよ」
と指差したのは、背の高い細身のイケメン。確かに髪の色が似ている気がする。
「ふうん……そうか?髪色だけだろ?俺はこんなにイケメンじゃねえよ」
「似てるよお!ほらぁ……弾くんはどの子がタイプ?」
 俺のタイプは真夢ただ一人だっつーの!!
画面には次々と水着美女が現れてくる。俺は適当に答えておくことにした。
「うーん、この子?」
画面を見ていた真夢の目が一瞬大きく見開かれたような気がするが、次の瞬間にはその目はスッと細くなり、声のトーンがやや低くなる。
「……ちょっと、ミカちゃんに似てるね」
「はあ!?そおかあ!?!」
全然ちゃんと見ないで適当に決めたからそんなの全然分からなかった。でも真夢は不貞腐れた様子で言う。
「そうだよ。この子はミカちゃんに似てるよ」
「いやそうでもねえだろ……?」
その後も画面では水着の女子たちが入れ替わり立ち替わり現れては、男達に向かって声を掛けたり追いかけられたりしていた。
「きゃああ♡」
その様に真夢は機嫌が少し戻ったようだ。
「私の推しメンはねえ、この人!」
突然真夢が叫んだ。
画面の中では一番人気のイケメンが爽やかな笑顔を浮かべていた。
 お前の推し、さっきの俺似の男じゃねえのかよ!!?
 しかもコイツ、どっかで、いやよく見るアイツに似てるような……
内心動揺しつつも、
「へえ〜。この人が好きなのか」
と言うと真夢はコクンと嬉しそうに肯いた。
「やっぱりイケメンの方が好きか……」
「違うってば!これはあくまでもテレビでしょ!?それにほら、向こうの弾くんはミカちゃんに夢中みたいよ」
テレビでは先ほど俺に似てると言われた兄ちゃんが、ミカに似てると言われた姉ちゃんを口説こうと必死だった。
「ふん……振られちまえ」
真夢が珍しく口悪く呟く。
 あれ?もしかして妬いてくれてたりするのか……?
そう思った途端、画面には新メンバー乱入!と文字と共に、真夢に似た感じの明らかに一番可愛い女子メンバーが現れた。
「なんか真夢に似てんな」
「そうお!!?私こんなに可愛くないよ!!」
そう言いながらも、真夢はその女の子が画面の中で他の男性と仲良くなったりすると、チラッとこちらの様子を伺ったりしている。
俺が画面を見続けているのを見て、真夢は慌ててテレビの方を向いてしまった。
しばらくすったもんだ何だか繰り返して、気づけば告白タイム直前になり、いい感じになった男女がいちゃつき出した。
「はわーー〜、いいねぇ……キュンキュンするねえ!」
「そおかあ……?」
真夢に似た女子の元へたくさんの男達が訪れるが、そこに来て彼女を攫って行ったのは、先程真夢が推しメンだと言っていたイケメンだった。
「ぎゃあ〜!!」
真夢は悲鳴をあげてソファの上で膝を抱えた。
 俺はいよいよ気に入らない。我ながら何て安いんだ俺は……
「良かったじゃねえか……お前のお気に入りがお前んとこに来たぜ」
「そういう弾くんはミカちゃんのとこに行きましたけどね」
二人でムッとし合うが、まあどう考えても俺が悪い。
 折角真夢がテレビの中での恋愛ショーを楽しんでんだから、そんくらいいいじゃねえか。それは分かってる。
 それでも……やっぱり気に入らねえんだよ。
 好きで好きで仕方がない真夢が、他の男を見て楽しそうにしてるのが。くっだらねえよな。
俺は自分で自分に嫌気が差してきた。
何となく重い空気になった所で、画面では真夢(似)とイケメンがいちゃつき始めた。それを見た真夢がまたキャーキャー騒ぎ出す。
「良いぞ〜!!もっとやれ〜!!!」
真夢のテンションが上がったことで、俺の嫉妬心は更に加速した。
「だぁーー!!うっせえ!!」
真夢の口を塞いで無理矢理キスをした。
そのままソファに押し倒して、胸元に手を入れる。
「弾くん!?」
真夢は驚いた様子だったが、すぐに大人しくなった。
そのまま服の中に手を入れて、ブラジャーの上からもみしだいていく。
真夢の吐息が荒くなり、頬が紅潮してくる。
「ちょ、ちょっと弾くん……!」
慌てる真夢を無視して唇に吸いつき、舌を入れた。
真夢の口から漏れ出る甘い声に、俺の頭はますます熱くなる。
「あんな男共見てキャーキャー言うな」
自分の言葉にハッと我に返る。真夢もまた俺の顔をじっと見ている。
「弾くん……もしかして」
「やめろ!言うんじゃねえ」
「ヤキモチ妬いてくれてるの?」
 バッ!!!と音がするくらい顔が赤くなるのが分かる。
 言うなって言ったのにサラッと言いやがった。知ってるよ、お前ってそういう女だよな。
「…………」
俺は無言で真夢の身体に覆い被さると、もう一度深い口付けをした。
真夢の口の中を貪るように味わっていると、真夢の手が俺の頭を撫でてきた。
そして、ゆっくりと顔を上げると、そこにはいつもの優しい笑顔の真夢がいた。が、急にくりっと目を見開いて、少しぶりっ子のような口調で話す。
「初めまして!私の名前は月野真夢、21才です!」
「……は?」
ポカンとする俺の前で、真夢は笑顔で続ける。
「好みのタイプの男性は、太眉だけど猫目でまつ毛が可愛くて、女の子みたいに可愛い顔してるのに、筋肉質でタンクトップがよく似合う特攻隊長タイプの男の人です♡」
「……」
 何だそりゃ。そりゃ……まごうことなく、俺のことじゃねーか。
「これからよろしくね、ダーリン♡」
そう言って俺の首に腕を巻きつけて、今度は真夢から俺にキスをしてきた。
「ん……」
最初は戸惑ったが、やがて真夢の動きに合わせて激しくなっていく。
お互いの舌が絡み合い、ちゅ、ちゅく、ちゅぱ、という唇と唾液が混ざり合う音だけが部屋に響いた。
真夢が俺の背中を優しく撫でる。それが気持ち良くて、俺はさらに強く真夢を抱き締めた。
「ん……ふぅ……ん……」
鼻から抜けるような声を聞いて、真夢が嬉しそうに笑う。
「いつもはオラオラ特攻隊長なのに、えっちなことしてるうちに甘えん坊になっちゃう時もある人が好きです♡」
「……うるせー」
「え?弾くんだなんて言ってないよお……んむ」
揶揄う真夢の柔らかい舌を吸って黙らせる。
真夢の胸に手を這わせると、その先端はもう固く尖っていた。指先で摘んでくりくりと弄ぶと、真夢は腰を揺らし始めた。
「あん……だめぇ……あっ」
「駄目じゃねえだろ?こんなにして」
「あなたは誰ですか?自己紹介して下さいよぉ」
ジロ、と真夢を見ると可愛い笑顔で見つめてくる。
「……八波弾、21才です。好みのタイプは……」
組み敷いた真夢がキラキラした目でこちらを見ている。
俺は観念して答えることにした。
「……顔が可愛くて声も可愛くて中身も可愛くて全部可愛い、色白で、華奢に見えるけど実はすげー胸がデカくて、普段は誰にでも優しくて分け隔てなくニコニコしてるのに、ベッドの中ではとってもえっちになる子が大好きです」
言い終わると同時に真夢の下着の中に手を入れる。
「ふああ……!はぁ……っんっ!」
「あ、言い忘れた。恋人にだけえっちな子です」
「もう……」
そう言うと真夢が両手を伸ばして俺の頬に触れた。そして、そっと引き寄せられるように口づけをする。
ギュッと真夢を抱きしめ、真夢の肩に顔を埋める。
「……ごめんなさい」
「んー?」
ちゅ、ちゅく、と唇同士で音をさせながら俺は真夢に謝った。
「ヤキモチ妬きました。イケメン野郎ばっか出てるテレビでキャーキャー言ってる真夢さんを見てるのが悔しかったです」
「単なるTVショーでキャーキャー言ってただけなのにぃ」
「それでも気に入らないものは気に入らなかったんです」
真夢は俺の言葉を聞くと、ふふっと笑った。
「ねえ弾くん」
「何だよ」
「私は弾くん一筋だからね」
「……どうだかな」
真夢の胸を口に含むと、びくん、と身体が跳ね上がった。
「や……!そんな……いきなり……!」
「だって俺、えっちだもん」
「やん……!それにまだそんなこと言ってる?」
真夢が頬を膨らませる。
「弾くんこそどうなのよ。TVショーでは?ミカちゃんにいってましたけどぉ」
「お前と一緒だよ」
真夢に覆い被さると、首元に吸い付いて赤い印をつける。
「ひゃん!ちょ、ちょっと!」
「俺は、お前に首ったけ」
真夢の顔がかあっ!と赤くなる。
「真夢だけだよ」
「もう……」
「俺以外見るなよ」
「……テレビくらい見させて」
怖い顔で睨むと、真夢が笑い出す。
「分かってる。ごめんな。やっぱ俺、嫉妬深いな」
「いいよ、もっとヤキモチ妬いて?」
「真夢限定だかんな」
「本当かなぁ……」
「そこは疑うなよ!テレビでさえヤキモチ妬いてんだぞ俺は!?」
俺の超絶カッコ悪い告白を聞いて、真夢はケラケラと楽しそうに笑っている。
「笑うなっての」
「あはは、ごめ……ん……あははは」
「……」
ムカついたので、意地悪してやる。
足をぐいっと広げて、太股に噛み付いた。
「きゃうっ!!」
そのままペロペロ舐めてみる。
「や……ダメ……噛んじゃ……!」
「痛いか?」
「……ううん」
真夢は顔を真っ赤にして目を潤ませている。
「気持ち良いのか」
うるうるとした瞳で見つめられ、その可愛い表情とは裏腹に、俺のモノを足でグイグイと刺激してくる。
「あっ……!っく、コラ」
「なーに?」
 分かってるくせに……
意地悪された仕返しの仕返しに、真夢の下着をずらして露わになった部分に食いつく。
「ひゃああっ!ああ……!」
あったかくて柔らかくて甘いそこに舌を入れてかき混ぜるように動かすと、どんどん蜜が溢れてきた。
「んんっ!あんっ!はぁ……!」
ピチャピチャとわざと音を立ててそこを責め立てる。
「弾く……!んっ!あぁっ!」
じゅるるるっと吸い上げると真夢は身体を弓なりにして喘ぐ。
「真夢……もう、俺……」
攻められて呼吸を荒くしている真夢と同じくらいはあはあと息があがっている俺は、リビング用に置いてあるコンドームを手にとって真夢に懇願する。
「挿れたい……」
泣きそうな顔で真夢を見ると、真夢は妖艶に微笑んで言った。
「あっち行こうよ……」
「ここでいいじゃねえか」
「ダ~メ」
「何でだよ」
「だってここじゃ狭いもん」
俺はソファの上で真夢を抱き締めていた。
「じゃあ……挿れたら運ぶから」
「え?」
「いい?」
真夢はむぐぐ……という顔で「弾くんずるい!!」とか何とか言っている。
 何でずるいんだろ……よくわかんねえな。
けど、真夢はコクリと頷いて俺を誘ってくれる。
避妊具を着け、真夢のナカへと入っていく。
「んんっ……!ふぅ……っ!」
「大丈夫か?」
「ん……平気」
ゆっくりと腰を動かすと、真夢の口から吐息が漏れる。
「んぁ……っ……んんっ」
「真夢のナカ、超……気持ちいい……いつもだけどな」
そう言うと俺は真夢をぐいっと持ち上げて駅弁のカタチを取ると、隣の寝室へと移動する。
足で布団を敷いてその上に対面座位で落ち着くと、お互い腰を思いっきり動かした。
「ああぁっ!!ふかいぃっ!!!んんっっっ♡♡♡」
「ヤベェ!!すぐイクってこんなの!!はぁっ……はぁっ……」
真夢と俺は激しく乱れ、俺は真夢のその可愛さと快感で頭がおかしくなる。
「真夢……好き……好きだ……」
「私もぉ、はぁっ……弾くんのこと、大好きぃ……!」
「真夢……」
「ふぇ……?」
「愛してる」
「ん……!」
真夢が俺にしがみついてくる。
「弾くん、弾くんっ、弾くぅんっ!!ねえっ!私のこと、独占してえ……!」
「いいのかよ、ヤバいぜ俺は。すげー束縛するし、やきもち妬くぞ」
真夢の身体を強く抱き締めると、さらに強く突き上げた。
「あっ!弾くんっ!弾くんならいいのっ!すき!だいしゅき!はぁっ!弾くんっ!もっとぉ!ちゅーして、お腹のナカ……」
 真夢も興奮してんだろうけどヤベェな。可愛い。めちゃくちゃ可愛い。そんでエロい。
「腹ん中でちゅーすんのか?」
「うんっ!あっ!あうっ、赤ちゃんのお部屋にちゅうして貰いたいの……!」
「マジかよ……最高だなそれ……!」
真夢の最奥をガチガチのペニスで何度も突いて、赤ちゃんの部屋へ何度もキスをする。
「ああ……邪魔だよぉ……」
真夢がすうっと涙を流す。
 何のことだかは分かってる。俺も全く同じ気持ちだ。
「近く、外せるようにしような」
「本当……?」
 本当に決まってんじゃねえか。今更離れられるわけないだろ。
「あ、でも違えな」
「ええ!?」
真夢はこの世の終わりのような顔をした。
「月野真夢さん。第一印象から決めてました。頭の先から足の先まで死ぬほど愛してるので、俺と結婚して下さい」
リアリティーショー風にプロポーズすると、真夢は目を丸くした後、涙を浮かべながら嬉しそうに笑った。
「はい……!私も、第一印象から八波さんに決めてました!あなたの為に生まれて来ました!」
 何だそれズリぃよ!!俺の上をいくんじゃねえよ!!
 可愛すぎること言いやがって、何なら俺の方がお前よりずっと前から真夢一筋だったのに!!
「……で、答えは?イエス?」
「はい!イエスです!」
「やったーーーーー!!!」
ガッツポーズして喜ぶと、真夢が「きゃっ!」と悲鳴をあげた。
「弾くんっ、繋がったままあんま動かないで!」
きゃん、あん、と真夢が喘ぎ声をあげる。
「あ、わり……こうだよな?」
そのまま正常位に戻って腰をめちゃくちゃ振ってやると、真夢が甘い声で喘いだ。
「あぁん!そう!あんっ!はぁんっ!」
真夢の身体がガクンガクン揺れるほど夢中で腰を振ると、真夢がまたイキそうになる。
「あぁっ、弾くんっ、弾くんっ!!」
「いいよ、イケよ」
「んっ、一緒が良い……」
 一緒にか……じゃあ、あれでフィニッシュするか。
「真夢……」
俺のその言葉だけで通じたのか、真夢は俺に足をキュッと巻きつけてホールドしてくれる。
「あああっ♡ヤベェッッ!!だいしゅきホールドは2秒で出んだってえええ!!イクッッ!イクイク、イクぞおおおおっ!!」
「あうんっ♡弾くんのがナカでびくびくノックするよおおおえっちいいい!!!」
 ドピュッドピューーーーーー!!!ビュルルルルッッ、ブピュッッ!!
二人で身体をのけ反らせながら同時に激しく果てると、真夢は幸せそうな顔をしながら俺に抱きついてきた。
「はぁ……はぁ……大好き……♡」
「俺も……超好き……結婚しよう」
「弾くん、本当はそんなに束縛なんてしないよね。ヤキモチは妬いてくれるの?」
「まあ、予定とかまでは縛ったりしねえよ。でも……お前に近づく野郎なんて、皆嫌いだぜ」
唇を重ね合わせて舌を絡め合うと、まだ真夢のナカにいる俺のモノが元気を取り戻してムクムクと大きくなる。
「んっ……!?」
「真夢……もう1回……いいか?」
「……うん♡」
こうして、俺達の愛の営みは夜中まで続いた。

 二人で風呂から上がってくると、真夢が「さっきのはどうなったんだろう」と言ってテレビを付ける。
「もういいじゃねえか」
「結末だけ!髪乾かしたりするまでだから!」
渋る俺に、気になるんだもん〜!と甘えた声を出してせがむ真夢。
「しょうがねえなぁ」
どうせ出来レースなんじゃねえの?とか思うのだが、真夢がどうしてもと言うので最後まで見ることにする。まあ気になるっちゃなるよな。そんで結局俺は真夢には敵わねえんだよな!
「あっ!出てきた!」
接続の悪さにヤキモキした後、配信の続きのページが流れ出す。
なんだかんだどことどこがくっついたんだろう、とか俺も気になって一緒に観ちまう。
まずは一番人気の真夢似の女子と真夢の推しのイケメンがお約束通りにくっ付いて、真夢は大興奮。キャーキャー言いながら俺をポカポカと叩いている。痛えよ!痛くねえけど!
続いて他の人気者達もどんどんカップルが成立していく。
「おめでとう~!」
真夢は手を叩きながらニコニコしている。
そしてラスト5人くらいになったところで、
「あ、弾くんが出てきた」
「俺じゃねえだろ」
真夢が俺に似てると言っていたイケメンが出てくる。そいつが告白先に選んだのは、真夢がミカに似てると言っていた女の所だった。
「やっぱりミカちゃんかい!!この浮気者!!」
真夢はソファを叩いて怒り出す。
「何だよ!?お前なんてお前似のねーちゃんと推しメンがくっ付いた時大喜びだったじゃねえか!?しかも言わねえようにしてたけど、アイツ源三に少し似てたよな!?」
俺が反論しても、真夢はフンと鼻息荒くテレビの続きに夢中になっている。
 そんなところも結局可愛い……やっぱり俺は真夢に狂ってるんだよな。
『俺と付き合って下さい!』の告白の返事を固唾を飲んで待っていると……女がOKの返事を出した。
 その途端、真夢がテレビをブヂン!!と消した。
「あっ!?おい!?」
俺が真夢を見ると、真夢はぷいっと横を向いてしまう。
「…………」
「……何怒ってんだ?」
すると真夢は
「くそおおお!あんなクソ番組二度と観るか!時間の無駄じゃー!」
と、またらしくない暴言を吐いてソファに突っ伏する。
「……お前、まさか本当に妬いてんの?」
「うるさい弾くんのバカ!ばーか!」
 マジで?本当の嫉妬?
「は?何で?」
「似てる人でも、弾くんと他の人がくっついちゃうのはやだよーー〜…」
そう言って、真夢は涙目で俺を見つめてくる。
「真夢……!」
思わずぎゅっと抱きしめると、「だってぇ……」と泣きべそをかく。
「俺だって同じ気持ちなんスけど」
「あれはテレビ!」
「俺のだってテレビだろ!?」
「それはやなの!!」
「無茶苦茶か!!」
「そうだよ!!」
そう言って真夢は俺の胸板に頬擦りをする。
「無茶苦茶好きなんだよ……弾くんが……」
「………」
 何なんだよコイツは……可愛すぎるだろうが……!
「俺も……愛してる」
「……ん」
真夢の顎を持ち上げてキスをしてやる。そのまま舌を入れて激しく絡ませると、真夢の身体がビクビク震えた。
「こんなえっちなキスや、ここにさっきまで俺のモン出し入れしてえっちな事してたのは誰だっけ?」
す…、と真夢の下腹部を撫でると、彼女は顔を真っ赤にして黙ってしまった。
「ん?真夢?答えられないならまた始めようかなー」
「はっ、はい!私です!」
「よく出来ました。じゃあご褒美にえっちなキス再開な」
「ええっ!?ちょ……んん」
ちゅ、むちゅ、んちゅ、とえっちな音を立てながられろれろと舌を絡ませ合う。
「こんなこと、したいのもするのも真夢だけ」
「本当かなあ」
ジト目で俺を見る真夢。
「……折角風呂入ったのにまたぐちゃぐちゃにしてやろっか?」
「やだあ!」
コロコロと上機嫌で笑う真夢。
「真夢だけだよ」
「んふ♡」
 結局俺達はソファでイチャついた後、布団に移ってまたイチャイチャしてそのまま眠りについたのだった。

 そして数日後、また真夢は同じような番組を観てキャーキャー言っていた。
「もう観るのやめんじゃなかったのかよ」
「ん?んー、これはBチェラーだからまた別モノ!」
んふふっ、と笑って俺の腕にしがみつく真夢。
「お前なぁ」
「何?妬いた?妬いた?」
「……別にぃ。何だ?コレは……女15人によるハイスペ男子の争奪戦……だって?へえ……ハイスペじゃなくて悪かったな」
「あ!拗ねた!ヤキモチ妬きさんめ!」
「うっせ!」
ガバッ!と抱きつくとわざとらしく「キャー!」なんて悲鳴をあげる真夢。
「あー、好き、畜生」
「私も大好き」
チュッと軽く唇を重ねると、真夢が「だからさ、ちょっと一緒に観よ?」と聞いてくる。
「うーん、仕方ねえなあ」
「一緒に推しメン作って応援しながら予想してみようよ!誰推し?今回はメンバー女の子しかいないし、怒らないからぁ!」
 そんなこと言われても俺、本当に真夢しか興味ねえから決めようねえんだけど……。
「うーん……じゃあ強いて言えばお前似のこの子にすっかな……」
「あらやだ♡可愛い子じゃないのよ〜、弾くんたらあ♡」
 良かった、真夢はご満悦のようだ。
俺が決めた女子は顔立ちが少し真夢に似ている。まあ真夢の方が数兆倍可愛いけどな。
「じゃあ私はこのカンナちゃん似の子にしようかな。見た目はカンナちゃんだけど中身はサバサバしててミカちゃんみたいだね」
モテそ〜!と真夢はきゃあきゃあしてる。多分真夢似の子の方がどう見ても可愛いし、女子人気もありそうに見える。
「よし、じゃあ俺はこのまくちゃん、お前はミカンナだな」
「何それ!!?ニックネームヤバいよ弾くん!!」
真夢は腹を抱えて大笑いしている。
「いいじゃんか、ピッタリだろ」
「あーおかしい!そんで、よく見るとこのBチェラーは大龍さんに似てるね」
「何ィ!?じゃあやっぱりまくちゃん頑張るな!」
「何でよ!?まくちゃん幸せになって!あ、私はミカンナちゃん推しだった」
真夢は楽しそうに笑う。真夢が楽しいんなら、それで良いか。
 それから飯を食ったり風呂上がりだったり、時間の空いた時に二人でちょくちょく続きを観るようになった。
 ある夜の寝る前、二人でソファで並んで観る。
俺達の推しは二人とも健闘し、半分までメンバーを減らされても残っていた。
「あ、まくちゃんが大龍さんに呼ばれたね!?ジャグジー入るみたい」
「何ィ!?あの野郎許せん!!まくちゃん断っちまえ」
それじゃダメでしょ!?と真夢は笑っている。
似ているとは言っても強いて言えばって程度だし、本当のメンツとはそれほど似ちゃいないと分かっていても、多少気に入らない。全く俺はどんだけだよ!?
画面の中では大龍(似)のヤローが、水着ジャグジーでバックハグなんてしてやがる。そんでまくちゃんは嬉しそうに笑っている。クソッッ!!
本物の俺のまくちゃんはその画面をキュンキュンしながら見ている。
「……これさあ」
「ん?」
ふいにそう言って真夢は俺の方を見る。
「こんな薄着で密着してたら、男の人……反応しちゃわないの?」
「あー、どうだろうな。人にもよるだろうけど」
「そうなんだ」
「どうなるか試してみっか」
「え!?きゃあ!」
真夢をぎゅうっとバックハグして首筋にちゅっちゅとキスをする。
「ほら、俺くらいになればそう単純にはな?」
「Bチェラーここまでやってないでしょ!?……それになんか……ムズムズする……、……お尻に何か当たって……熱い……」
「……勃起した」
「えええっ!?」
真夢は大爆笑。
「もう!超絶単純じゃん!」
と言いつつもケタケタと笑う。
「真夢が可愛すぎるのが悪い」
「えー?私悪くなーい!」
真夢が後ろ手で俺の硬くなった相棒をこちょこちょと撫でる。
「やめろ。出ちまう」
「早いよ!!!あーおかしい!!!」
真夢は涙が出るほど笑ってやがる。
 早くて悪かったな!!その通りだよ!可愛いなコンニャロー!
「画面の中でもあの大龍、きっと大変なことになってるぞ。頑張れまくちゃん、うちのエロまくちゃんみたいに握って出させちまえ」
「あーはははは!!やめて〜!!耐えて!大龍さん!!」
「ははは……んちゅ」
また真夢の唇を奪うと、「ん……♡」と真夢は俺の舌に応えてくれる。
「ん……んん……ん……んん……♡ん……♡」
長いディープなキスをして口を離すと、つう……と唾液が糸を引いた。
「はぁ……はぁ……♡」
真夢はとろんとした目つきで俺を見つめてくる。
「……あっち行くか?」
「うん……♡」
真夢をお姫様抱っこして寝室へ向かう。
 そしていつものように激しく絡み合って、愛し合う。
その最中、真夢はテレビの中の推しメンと自分を重ね合わせているのか、俺の首に腕を巻き付けて甘えた声で「好き」「大好き」と言ってくる。
「ああ、俺も好きだ」と答えると、真夢は嬉しそうに微笑む。
「あんな真似しなくたって、俺にはいつものお前が一番可愛いぜ。俺は生涯真夢推しだ」
真夢は恥ずかしそうに笑って、少し悔しそうに言う。
「もう……Bチェラーよりずっとカッコいいじゃん」
真夢に吸い寄せられるように、ちゅ……と深く口づける。
「惚れ直したか?」
「弾くんのばかあ……んっ、んうっ!」
真夢が激しく腰を振って悶える。
「あっ!あんっ!はんっ、ああっ♡」
やらしい声で死ぬほど可愛く悶える真夢を見て、俺はますます興奮して腰を振り、真夢の中で出しまくった。
「「はあ、はあ、はあ、はあ……」」
お互いに息を切らせながら見つめ合い、お互いの身体をぎゅっと抱きしめて腰を振りまくる。お互いの性器をぐちゃぐちゃに擦り合わせて、何度も何度も絶頂を迎えた。
「はあ、はあ、はあ、もーだめ……弾くん……絶倫すぎぃ……」
「はあ、はあ、はあ、お前が可愛過ぎるのがいけねえんだよ……」
ぐったりする真夢を労うように優しく頭を撫でる。
「ふふふ」
嬉しそうに笑う真夢。
「何だよ?」
「ううん、何でもない。幸せだなって思っただけ」
「そうか」
「……もっと幸せにしてよ」
「仰せのままに」
「!?」
真夢はズギュン!!と胸を撃ち抜かれたような顔をしている。
「どうした?」
「い、今のはちょっと反則……!キュン死するかと思った……!」
「死ぬなよ。お前がいなかったら俺、生きていけねえよ」
「ぐああああそれ以上だめ!本当やめて!!」
「愛してるぜ真夢ぁ……」
「ぎゃあああ耳元で低い声禁止!!!こんにゃろーーー〜!!?」
がばっ!!と真夢が俺に飛びついてきて、そのままベッドに押し倒される。
「あーもう無理!絶対今日は寝かさなーい!」
「望むところだ!ぜってぇお前の方が潰れる癖によ!」
 俺達はその後、朝日が昇るまで狂い続けた……。

 そんなこんなで、最近はこういう番組も二人でああだこうだ言いながら観ている。推し作って応援したり、予想したり。
で、結局いつも最後はイチャついて合体して終わる。
「あーあ、私の推し負けちゃったね」
「まあ仕方ねえよ。時の運とかだってあんだろうだからさ」
「そうだよね」
そう言って真夢は俺の腕枕でうとうとしている。
「お疲れさん」
「ん〜……」
身じろいて真夢は俺の腕の中で眠りに落ちていく。
「なあ、真夢。本当に俺は、一生お前推しだからな。……違えな。推しなんかじゃねえ。愛してる女だよ。ただ一人だけ……俺の……」
眠る真夢に言いながら俺もうとうとしてくる。真夢は寝ているはずだが、少し微笑んだ気がした。
その姿を愛おしいなと頭を撫でているうちに俺も眠ってしまった。
 お前は、俺が愛するただ一人の女だよ、真夢。

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