気付かねえようにしてた。
気付いてはいけないのだと。
隠し通せないと分かっていても。
この気持ちは恋ではないと、友情なのだと。
彼女を友人として大切に想っているのだと。
日増しに大きく、強く、制御出来なくなっていくこの気持ちを、必死の思いで抑えつけて、見て見ぬふりをした。
彼女が他の男を好きになるのは辛いし許せない。
しかし俺が彼女の恋愛対象になれるかどうかは別次元の話なのだ。
初めて「好き!」と言われた時は、呼吸が止まるかと思った。
それくらい嬉しくて。
同時に、それは違うんだ、と自分を必死に抑えつけた。
彼女の言う「好き」は、あくまで友情として、友人として俺に向けられているものであって、決して男としての俺に向けられた恋のそれとは違うんだと。
初めて黒木組で真夢と出会った時、シンプルにすげえいい女だな、と思った。
ひっつめ髪にメガネとスーツ、といういわゆるちょっと地味目のOLさん、という印象だった彼女。
それでも十分綺麗で俺は即座に目を奪われた。
書類と睨めっこして、すげえ速さでキーボードや電卓を叩き、正確で真面目な仕事ぶり。
対して俺やミカなど仕事仲間に接する時は打って変わって柔らかく明るく笑い挨拶する真夢を、ますます俺は目で追うようになっていた。
そのうち彼女は仕事以外の事も話してくれるようになった。
真夢は驚いた事に、同い年だった。
しかも住んでいる街も同じときた。
そんな奇跡的な偶然に、俺たちは一気に仲良くなったのだ。
そして同僚として、それから友達として話をしていくうちに彼女の内面を知り、またそれが外見に反映されていることを知った。
俺はどんどん彼女に惹かれていく自分を止めることが出来なくなった。
彼女に会える日は気分も上がり、逆会えない日はいくら晴れていても心が曇る。
でもそれは……きっと、初めて会った時からずっとそうだったんだ。
好きになるなというのが無理な話だったんだ。
本格的に彼女に心が奪われた頃、真夢は黒木組からいなくなった。聞けば短期派遣としてやってきていたらしく、俺の外勤務中に退勤してしまっていたのだった。
心に穴が空いたような俺は、しばらくあちこちによそ見をしようとした。
たまに可愛いなと思う女もいたが、心の中ではずっと真夢のことが引っかかっていて、消せなかった。
そして、消したくなかった。
真夢が黒木組を去ってしばらくして、俺とミカも黒木組から桐島組へ居候することになった。
そんな中、桐島組に新しい派遣がやってきた。 それは……見違えるように、いや最初から綺麗だったけど、ますます綺麗になって現れた真夢だった。
地味なOLルックだっていい女なのは隠し切れていなかったが、今度は誰が見ても華やかで、だけど清潔感があって。
メガネからコンタクト、ひっつめ髪から巻き髪、地味なスーツからTPOは弁えたオフィスカジュアルへと変わって、真夢は完璧に垢抜けたのだ。
彼女は黒木組の後、鬼頭組でまた短期派遣として勤務していたらしい。
強面、曲者揃いの鬼頭組幹部達、果ては大龍にさえ物怖じせず堂々と渡り合っていて、真面目な働きぶりとそして何より美人なのにそれを鼻にかけないその優しさや人懐っこい笑顔で奴らを籠絡していた。
そんな真夢を素敵だと、誰もが思うようになっていた。
そんな真夢に、俺はますます惹かれていく。
そんな真夢に、俺は言われる。
「弾くん、好き!」、と。
「ありがとう、俺も好きだぜ」、そう返した。
素直に嬉しいという気持ちと、こんなにすげえ女が俺なんかにそんな意味で好きだと言うはずはないという絶望にも似た気持ち、俺はそんなもどかしさで頭がおかしくなりそうだった。
だから、本心には蓋をした。
頑丈に、頑丈に、決して開かないように、悟られないように、バレないように。
本当は、本当の気持ちで返す「好き」の言葉も、友情の好きを装った。
装えていると思っていたし、真夢にはそう伝わっているように見えた。
ただ、俺と真夢以外の近しい人間達、源三やミカなどには、お互いの本当の「好き」の往来がダダ漏れていたようで。
俺と真夢だけがそれに気付かなかったらしい。
観られれば、抜ければ何でも良かったAVも、次第に真夢に似た女優や、真夢に似た声や、俺たちのシチュエーションのものを探すようになった。
そしてそんな俺の変化に、源三やミカが気付かないはずはなかった。
「弾、お前……好きな女でも出来たのか?つーか、隠せてると思うか??」
「えっ!?いやっ!そ、そんなんじゃねえよ」
「嘘つけ。バレバレだっつーの!」
「……うっせえな」
俺はそう返すのが精一杯で。
「まあいいけどよお?お前が誰を好きになろうが自由だしなあ。ただな、相手のこともちゃんと見てやれよ」
「……分かってるよ。だから、好きにならねえように頑張ってんだろ」
そう言って現場に戻る俺を。
「あーあ。なーーんも、わかっちゃいないね、弾」
「な。真夢がどんな思いで、何度も何度も正面から好きって言ってきてるか考えてみろってんだ」
源三とミカが、どんな表情で見ていたかなんて。
俺は知らなかったのだ。
真夢に好きだと言われる度、それは揺らいだ。
友情の好きを返さないといけないのに、本当の好きを返してしまっている。
本当は、何より誰より真夢が欲しいのに。
触れたくて、抱きたくて、自分だけのものにしたいのに。
でも、普通に考えてあのレベルの女が、周りからは厨二だなんだって言われてる俺のことを、だなんて……ありえねえ。
好きになったところで、報われない、傷つくだけだと、そう思った。
俺と真夢の好きが同じならどんなにいいか、と俺は何度も泣いた。
仕事場や仲間内では特攻隊長で勢いがウリなのに、恋愛が絡むとこんなにも臆病なのかと驚いたし嫌気がさした。
だから……
本当の気持ちは、心の奥底に仕舞い込んだまま蓋をした。
そして……
そんな俺の想いとは裏腹に、真夢は俺の頑丈に閉した心の蓋を、呆気なく開けてしまうのだ。
「私の好きは恋愛感情の好き、弾くんの好きを聞かせて」
そう言われた時の俺の気持ちは、誰にも分からないだろう。
真夢が俺を好きだと言った。
そして俺も、もう自分の本当の気持ちからは目を背けるのが不可能になった。
あの細い腕で、身体で。
必死に俺を自分に引き寄せようとうんうんと唸り、俺の首や背中に腕を巻き付ける、真夢の細いけど柔らかな身体。
初めは何がしたいのか、何が何だか分からなかった。
からかってるのか?
それとも、珍しく酒に酔って、そういう気分になっただけなのか?
それでも、そうではないらしい。
俺に、愛されたいと懇願する。
最後の理性で冷静になれ、自分を傷つけるなと諌めてみても、そうじゃない、俺のものになりたいのだと、綺麗な顔を、綺麗な化粧をぐしゃぐしゃに濡らしながら必死に訴えてくる。
長い睫毛に縁取られた綺麗な瞳で、俺を真っ直ぐに見つめる真夢。
ああ……もうダメだと思った。
どんなに化粧が涙で崩れていても、世界一宇宙一概念一綺麗だと、心の底からそう思った。
俺は目を固く閉じる。
そして一度深く息を吐き、目を開けてもう一度しっかりと彼女を抱きしめると、耳元でこう告げたのだ。
「俺もお前が好きだ」
と。
すると彼女はまた俺の首や背中に手を回し、強く抱きしめ返してくれたのだった。
真夢の細腕で簡単にぶっ壊された、俺の本心を閉じ込めていた頑丈で脆弱な檻から、本当の意味での好きが溢れ出す。
「真夢、愛してる……」
「私もだよ、愛してる弾くん……」
俺達は、ずっと同じだったんだ。
-—*-—*-—*-—*-—*-—*-—*-—*
「真夢……愛してる」
そして、そんな俺は今日も重めの愛を真夢に捧げる。
「私も!……愛してる」
そう応えてくれる真夢を、俺はこれでもかってくらい強く抱きしめる。その細い腰が折れてしまうんじゃないかというくらいに強く、でも決して痛くならないように優しく。
「弾くん……」
ああ、もう、なんて可愛いんだ。
ねろ……と、真夢の唇を、身体じゅうを舌でなぞる。
「あっ……」
そしてそのまま彼女の唇に戻り口内に侵入すると、その舌を捕まえて強く吸う。
「……ん……ふ」
ああ、可愛い。
俺の舌の動きに合わせて必死についてくるのが可愛くて仕方ない。
「はあっ……」
息継ぎをさせてやると、彼女は大きく息をする。
「弾くん……好き」
そんな彼女が愛しくて愛しくて、俺はまた深く口付ける。
「俺もだよ、真夢……出る……」
「うん、出して」
真夢は俺の肉棒を優しく握り上下に動かす。その刺激に俺はあっという間に果ててしまう。
「ああっ!……はあっ、はぁ、はあ……」
「いっぱい出たね♡」
嬉しそうに笑う真夢を優しく抱きしめながら、荒い息を整えている俺に。
「……弾くんてさ」
「ん?」
「……よそ見してた時も、その子でしたりしてた?」
「へ?」
「だから、私とこうなる前だよ」
真夢は少し口を尖らせて聞く。俺はといえば、突然の質問に思考が追いつかず、キョトンとしてしまう。
「……え?……あ……っ!?」
そしてやっと質問の意味が理解できた時、今度は顔が真っ赤になる。
「やっぱり……してたかあー〜……」
真夢はぷくううぅと頰を膨らませる。
「い、いや!それはだなっ!?」
「してたんでしょ?」
「……して……た、の、かな?」
「やっぱりかあーー!!」
正直どうだったか覚えてねえが、俺は真夢に平謝りする。
「ごめんって!でもそんなん、もう覚えてねえんだよ。ていうか何で知ってんだ、よそ見とか何とかって……」
「別にぃ、風のウワサ!」
真夢はぷいっとそっぽを向く。
「なんだよそれ……」
「……弾くんのことなら、何でも知ってるんだから」
何だそれ。なら、こんなにも俺がお前に心酔していて、好きすぎて心乱されちまってることとか、そういう方の俺の気持ちを少しは汲み取ってくれよ……と思わず思わなくもない。
「……ごめん」
でも俺はそう素直に謝るしかない。
ふんだ、と拗ねる真夢だが、「まあ、私も急にいなくなった訳だしね……」とか何とか言っている。
俺はそんな真夢が愛しくて、強く抱きしめてキスをした。
「弾くん……」
真夢も俺の背中に手を回し抱きついてくる。もう俺達は二度と離れられないんだという気持ちを込めて、強く抱きしめる。
「お前で抜いてたことだけは明確に覚えてるけど、他の対象の事なんてもう本当に覚えちゃいねえんだよ」
「……本当かなあ……?」
そしてもう一度口付けて離した後、今度はどちらからともなく身体を重ね合うのだった。
—*—*—*—*—*—*—*—*
「あ!あっ……あん」
「はあっ、はあ……っ!」
もう何時間こうしているだろうか。
「絆されないからね」
と言う真夢の顔も声もすっかり蕩けていて、俺はまたペニスが疼くのを感じてしまう。
「絆されてくれよ」
そう言って、また深く口付ける。真夢の舌を自分の舌で絡め取り、強く吸い上げると、彼女はぴくんと身体をしならせる。
そしてそのまま彼女の胸の先端を指先で摘むと、真夢はまた可愛い声で鳴いてくれるのだった。
「あっ!……あ……」
「気持ちいいか?」
そう聞きながら両方の乳首を指で弄ぶ。すると真夢の腰はいやらしくくねり始める。俺はその反応に股間がますますズキズキしていくが、まだだ。
「気持ちいいんだろ?素直になれよ」
俺はそう言いながら真夢の乳首に舌を這わす。そしてそのまま強く吸い上げると、彼女は一層可愛い声で鳴いてくれるのだ。
「ああっ!はあん!」
「ほら、言えよ……気持ちいいって」
そう言ってまた乳首を舌で転がす。
「あ!あっ!き、きもちい……」
「ん?」
「きもちいぃ……っ!」
ああもう本当に可愛いな、俺の真夢って。
俺の……俺だけの、真夢。
「弾くん……もう来て」
そう言って俺のペニスを握り、自分の中へ誘う真夢に。
「ああ」
もう俺も限界だった。
ああ、俺って本当に幸せ者だな。
愛して止まない女にこんなにも求められてるなんて。
俺はまた深く口付けながら、真夢の蜜壺の中へ入っていくのだ。
「なあ……俺、お前だけなんだよ」
「……よそ見してた子でもしてたくせに」
ぷい、と拗ねてそっぽを向く真夢の顎を捉えて、俺の方に顔を向けさせキスを一つ落とす。
そしてそのままぶちゅう、と強く唇を押し付けるとそのまま彼女の唇を割り、唾液を流し込ませる。
「んっ!んくっ、こくっ、んんっ」
真夢が驚きながらも涙目でそれを飲み込むと、俺はまた彼女の口内を舌で蹂躙する。
「はあっ……弾くん……きゃっ!」
そして繋がったままくるんと真夢を上に乗せる体位に変わると、今度は可憐なその唇から彼女の甘い唾液をいただく。
「んぐ、んっ、ぷはあ、はあっ……ああ、真夢……愛してる……もっとくれぇ……」
「んっ!んくっ……んえ……」
そしてそのまま舌を絡めると、また俺は真夢の口内から無理矢理唾液を吸い上げ、それを飲み込む。
「はあっ……真夢……」
すると真夢も俺の唾液を飲み込んだのか、コクンと喉がなる。そしてそのまま彼女は俺に口付けて、舌を絡める。
ああ、もう本当に可愛いな、俺の真夢って。
俺だけの女だ。
あれだけ足踏みして言い訳して回り道遠回りしたけど、この女は俺だけのもんだ。
絶対に手放したりなんかしねえ。
俺のだ、俺の真夢。
一生俺だけの女だ……もう絶対離さねえからな、覚悟しろ!
「ごめんな、本当に覚えてねえんだ。もしかしたら一回くらいはしたかもしれないし、してないかも覚えてねえ」
ぷくうとまた膨れた真夢に。
「俺が意思を持ってオカズにした女は、後にも先にもお前だけなんだよ真夢」
何て凄まじくカッコ悪いセリフだと我ながら思うが、真夢が安心するならこのくらいなんてことない。
「本当?」
上目遣いで聞いてくる真夢の頭を優しく撫でてやる。
「本当だ」
「もう他の子ではしないで」
「しねえよ」
「私以外でひとりえっちするのもいや」
「うん、真夢でしかしねえよ」
「……でも、プロのAV女優さんなら許す」
「何だそりゃ、許すんかい」
もう二人してバカップル大全開な、IQ2レベルのデロデロな会話を繰り広げる。
「弾くんのえっちな顔も、声も、身体も、私しか知らないんだから……」
「うん、真夢だけにしか見せない」
俺はまた真夢を抱きしめてキスをする。そしてそのまま彼女の身体を布団に倒し覆い被さると、また腰を動かし始めるのだ。
「あっ!ああっ!あんっ!」
「はあっ、はあっ……真夢っ」
ゆさゆさと揺れる大きな胸を見ながら、忘れていたことを思い出してジェラシーに火がつく。
「……お前なんて、俺意外にこのクソエロいおっぱいを揉ませたくせに」
「生で揉んだり吸ったりしたのは弾くんだけだもん」
クソッッ!!何枚も上手な真夢に、俺はやっぱり勝てねえ。
「ああっ!あん!あん!」
真夢が仰け反って身悶える。俺ももう限界だ。
ああ、本当に好きだ、真夢。
もうずっと俺だけのもんだ。
一生俺のもんだ……絶対に誰にも渡さねえ……!
「くっ……!」
俺は急いでペニスを引き抜き避妊具も取ると、勢いよく真夢の身体へと射精する。それは真夢の下腹部から胸まで飛び散り彼女の身体を汚したのだった。
「俺はキスだって、手繋いだのだって、触れ合うの自体全部真夢が初めてなのに」
はあはあと息を荒らげながら、俺は真夢にのしかかる。
「弾くんてば……いじわる」
そう言ってはにかむ真夢の汗だくになった前髪をかき分け、額にキスをする。
そして彼女の身体に飛び散った俺の精液を指ですくうと、そのまま彼女の唇にそれを塗りつけてやった。
「……んむう、んやあ……」
そう文句を言いながらも彼女はその指をしゃぶる。ぺろ、と舐め終わると、もう一度ジト目で俺を睨む。
「でも他の女の子でオナニーしたもんね」
「だああもう分かったよ!!してねえ!!してねえよ、うん、絶対してなかった!!完全に思い出した!!!」
「何それウソだねー〜!!そんな事言うのはしてる証……んむ」
俺は真夢の口を唇で塞いでやる。
俺の真夢へのありったけの気持ちが伝わればいいと、思いっきり濃く深く長く口付ける。
「はあっ……真夢……」
「ぷはあ!はあ、はあ……長い……!」
「そういうことにしてくれ」
「!」
真夢は今度はジト目ではなく、驚いた顔で俺を見た。
「もうお前しか愛せねえんだから、そういうことにしてくれ」
俺は真夢にまたキスをする。今度は優しいキスを。
「どうだったかは忘れちまったし、どっちにしろ過去は変えられねえし。でも、もう俺はお前以外を愛せない。だから……許してくれ」
「弾くん……」
真夢は俺をぎゅう、と抱きしめる。
「……ズルいよ、そんなこと言われたら許すしかないじゃない」
「真夢」
ああもう本当に好きだ、この女が。
「よそ見せざるを得ないくらい、お前を失ったのはショックだった。だからもう二度とそんな思いはしたくねえ」
俺は真夢をぎゅう、と抱きしめる。
「だからずっとそばにいてくれ」
「……うん」
すると、俺の腕の中で真夢がぽつりと言う。
「ずるいんだ……」
「……ん?」
「よそ見を正当化したんだもん」
「だからそれは」
「私のことが好きすぎるからよそ見したなら、今後はもうどこにも行かせないように弾くんが私を独占して」
ああもう、これだよ。こんな所まで一枚上手だ。俺はやっぱり一生この女には敵わねえんだ。
だがそんな女に惚れちまったんだから仕方ない。
「独占していいのか。俺の愛は激重で激甘だぜ?」
「うん、上等だよ!」
「一生俺のもんだぞ」
「弾くんだけのものだよ」
そう言って、真夢は俺の腕の中で笑うのだ。
ああ、やっぱり俺はこの女の全部が愛おしいんだ。
「……膣内に出す」
「うん」
「即答かよ」
「当たり前じゃない」
だって、と真夢は言う。
「弾くんは私のものだからね。他の人で気持ちよくなるなんて許さないよ」
「違えねえ」
真夢を愛している。そう気づいて、いや、認めちまってからは、ますます俺は真夢に身も心も溺れていくのだった。
「膣内で出されて怖くねえのか」
「弾くんの考えによる」
俺は真夢を黙って見下ろす。真夢もまた俺を見上げて、見つめ合う。
「どうして膣内に出したいのかによる。快楽のためだけなら嫌だ」
「そんな訳あるか」
俺は真夢の頰を両手で包む。そして、ゆっくりと口付ける。
「愛してるからだ」
「……うん」
「お前とずっと一緒にいたいからだよ」
そう言ってまたキスをすると、今度は真夢からも舌を絡めてきた。
「弾くんは私だけのものだよ」
ああもう本当に好きだ、この女が。
「真夢は俺だけのものだ」
この女を俺の人生分愛していると分かるから、間に子を成したい。
「俺の子種を真夢の子宮にたっぷり注いで、俺の子を孕ませたい」
「どうして?」
「愛してるから」
俺はそう言ってまた真夢にキスをする。
「なら、いいよ」
真夢は俺を迎え入れるように両手を大きく開く。俺はペニスをまた彼女の秘所に当てがい、ズブズブと腰を沈める。
「ああ……」
再び快感が二人を襲う。
今度はちゃんと記憶もある。
互いの体温も感じることが出来るこの行為が俺の心を落ち着かせてくれた。
「……弾くん」
「ん?」
「愛してるよ」
「……俺もだぜ、真夢」
「愛してるから、私との子どもが欲しいの?」
「そうだ」
だから今度ははっきりと言葉としてそれを言う。俺の言葉を聞いて、真夢は満足そうに微笑むのだった。
「なら、いいよ……」
「え?」
「弾くんが私の事だけ見ててくれるなら」
そう言ってまた俺をぎゅうと抱きしめると、耳元で囁くのだ。
「約束したもんね。弾くんと結婚して弾くんの赤ちゃんを生むって」
ぽたぽたと真夢の顔に涙が落ちる。
「真夢……」
「だからいいよ、弾くん」
私はもうとっくに弾くんにあげたんだから、そう言って微笑む彼女に、俺はたまらなくなってまたキスをするのだった。
「あ、でもまだプロポーズはされてなかった」
フライングしちゃった、とてへへと笑う彼女に。
「俺は、真夢しか見ないし愛さない。真夢しか欲しくないし、真夢じゃなきゃ嫌だ。全て。だから……」
真夢がじっと俺を見ている。
超カッコ悪い。
泣きながらこんな事言うなんて、本当俺は決まんねえな。
でも、これが嘘偽りのない俺なんだろうな。
「俺と結婚して下さい」
涙目に鼻声で、みっともねえプロポーズになっちまった。
それでも真夢は嬉しそうに笑ってくれて……
「はい!喜んで!」
ああ俺は本当にこいつが好きだ。愛してる。
一生離したくないし離れたくないし誰にも渡したくない。
絶対に幸せにしてやりたい。
ずっと笑顔でいて欲しい。
そう思わせてくれる女なんて、きっと世界中探しても真夢しかいないだろう。
そしてまた俺達は深く口付ける。
「んむう」
そのまま腰を動かすと真夢の甘い声が上がるが、構わず続ける。
「あ、はあっ、弾くん、弾くん……!」
「真夢……出る……」
「いいよ、何度でも出して」
「ああ」
俺はまた真夢の奥に射精する。どくんどくんと脈打つそれを、真夢は愛おしそうに受け止めるとそのまま強く抱きしめてくれたのだった。
そして繋がったまま二人で布団に横になる。俺は真夢の膣内に自身のものを挿入したまま彼女を抱き寄せた。彼女の頭を撫でたり髪に口付けたりすると、彼女はくすぐったそうに笑うのだ。
ああ、もう本当に好きだ。大好きすぎるんだこの女が。だから……
「ありがとう」
「うん?何が?なかだし??」
「ばっ、違えよ!!……プロポーズだよ」
そう言うと、真夢は俺に抱きつきキスをする。俺はそれを受け入れると、また彼女の身体を愛撫し始めるのだった。
「あ……ん……」
「真夢のおっぱいも尻も全部俺のもんだ」
「違うよ、私のだよ」
「分かってるよ!そうじゃなくて……」
「んふふ、私も分かってるよお」
またいつかのように、両手両足で俺にキュッと抱きつく真夢。敵わねえ。
「あっ……っく」
「あれ?また出ちゃった?」
「ん……るせー……」
真夢はコロコロ笑うと俺の顔を見て、それは極上の笑顔を向ける。
「あの日、勇気出してこうしてよかった」
「うん?……ああ、お前が逆レイプしてくれようとした日か」
「言い方!!でも、そうだよ。ああしてなかったら、こうなってなかったかもしれないでしょ」
「そうかもなあ」
「だから、勇気出してよかったの!」
「ああ……」
俺は真夢を抱きしめる。
本当に良かった。
あの日勇気を出してくれて……俺のそばにいてくれて。そしてこうして愛し合ってくれて……
「……愛してる」
好きだ、大好きだ、死ぬほど好きだ、死んでも好きだ。
そんな思いを込めて、真夢の耳元でそう囁くと、彼女はまた俺にキスをするのだった。
「うん、知ってるよお」
「知ってたか」
「……ウソ。本当は今でも自信ない」
「え?」
「私なんかで本当にいいのかなって」
「……はあ?馬鹿じゃねえのお前」
俺は真夢の額にデコピンする。そしてそのまま彼女の目を見て言うのだ。
「俺にはお前しかいねえんだよ。他の女なんて興味ねえし、そもそも俺みたいな男は誰も相手にしてくれねえしな」
「そんなことないよ!!このイケメンが!!本当鈍くてやんなっちゃう!!!」
真夢はそうぷりぷり怒っているが、俺をイケメンだと本気で言ってくれるのは真夢くらいなもんだろうけどな。
「弾くんのことは信じてる。だけど、周りには可愛くて魅力的ないい子が沢山いる。だから私なんか」
「なんかとか言うんじゃねえ、怒るぞ」
俺は真夢の頬っぺたを優しくつねる。すると彼女はいたずらっぽく笑った。そして俺の首に手を回し、俺に抱きつくのだった。
「俺の概念一可愛くて大切な嫁さんの悪口を言う奴はただじゃおかねえ。たとえ本人でもな」
「弾くん、本当に私のことただの友達だとずっと思ってたんだよね???」
「思ってたぞ。そう思えてると思ってた。お前で抜いてもそう思ってた。全然違ったけどな」
「なのに今は私を女として好きなの??」
「好きも嫌いもあるか。一生愛してる」
そう言って俺はまたキスをする。
「ハナから友達なんかじゃなかったんだよ。俺にとってお前は、ただのベタ惚れしてる女だったんだ。もう絶対離さねえ。離してやれねえからな」
「うん、離さないで」
返事の代わりに真夢の唇を貪る。
「んむっ……はあ……」
「好きだ、大好きだぞ真夢」
もう何度言ったか分からないが何度でも言いたいのだ。そして真夢もまた俺に何度も言うのだ。
「私も好きだよ。愛してる。弾くんと愛し合う為に私は生まれてきた」
その言葉に俺の心は打ち震えた。そして彼女を強く抱きしめ、再びまた彼女の膣内で射精してしまうのだった。
「あ……ん……」
「はあ……」
俺は真夢にキスをすると、そのまま抱きしめる。彼女も俺をぎゅっと抱きしめてくれたのだった。
「ねえ」
「うん?」
「本当に私をお嫁さんにしてくれるの?」
「当たり前だろ。俺と愛し合う為に生まれてきてくれたんなら、俺が貰わないでどうすんだ」
そんな事を照れ隠しまじりで言ってやると、あはっ、と真夢は泣き笑いの顔で笑う。
「弾くんなら、幸せにしてくれるね」
「ああ、絶対幸せにするからよ」
だから俺の子を産んでくれ、と俺は真夢を抱きしめる腕に力を込める。
「うん……嬉しい」
「ああ、また……」
ビュルルッ、と真夢の膣内に射精する。
「あは……また出ちゃったね」
「ああ……愛してるぜ、俺の可愛い嫁さんよ」
すると彼女は嬉しそうに笑うのだった。
「私も大好きだよ!私の旦那さま!!」
真夢はお腹をさすりながら微笑む。
「今、実は超安全日だけど、赤ちゃん出来ちゃいそうだよ」
「それならそれで大歓迎だ。安全日に宿るなんてきっと大物だぞ!」
「あは、そうだね!」
そんな会話をして笑い合う。そしてまた口付け合って、俺達は裸のまま抱き合って眠りにつくのだった。
こうして俺と真夢の未来は、ずっと共にあることが決まったのだ。
あの日、俺達の関係は大きく変わった。
いや、真夢と俺が変えたんだ。
真夢の勇気と、俺の勇気で。
固く閉ざしていた本心を塞ぐ蓋は、真っ向勝負でやってきた最愛の女によって打ち砕かれ、完全に無くなった。
本心を閉じ込める必要のなくなった俺は、もう心のままに真夢の事を思う存分愛することができる。
これからの人生、二人でずっと一緒に歩いていくんだ。ずっと永遠に……
「愛してる」
俺は真夢の唇にキスをするのだった。彼女は照れながら俺に抱きついて言うのだ。
「私もだよ」
そんな俺達の未来はきっと幸せに満ちているに違いないと信じて、俺は静かに眠りについた。
…………fin…… ……
「ちょっと待って、その前に抜いてコレ」
「……いけね。……でもいいか、もうこのまま寝ようぜ」
「ええっ!?挿れたまま!!?」
「本心にはフタしなくて良くなった分、ここにフタして寝れば汚れなくて済むだろ」
「弾くん何言ってんの!!?」
真夢が唖然としつつもおかしそうにコロコロと笑う。
「真夢が可愛すぎるのが悪いんだぜ。あーあ、寝ようと思ったのに……もう我慢出来ねえ」
そう言ってまた腰を動かし始めると、真夢は甘い声を上げる。
「あっ、あんっ!寝るんでしょ!?だめぇ!」
「駄目じゃねえだろ?こんなに俺のを締め付けて来るくせに」
「それは弾くんのせいでしょっ!?」
俺はそのまま真夢に覆い被さり、再び彼女の膣内で果てる。そして繋がったまま二人で朝まで眠りにつくのだった。
綺麗に締めようと思ったけど、やっぱり締まんなかったな。
でも、それでいいか。
俺の人生は、真夢さえいてくれれば最高に幸せで最高の毎日になるんだ。
絶対に幸せになるに決まってるよな。
「真夢……これからもずっと愛してるからな……」
真夢にそう言えることが俺の幸せであることに。そうさせてくれた真夢に。
ありったけの愛と感謝を一生注ぎ続けると誓うのだった。

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